早乙女とは

本来は田植えの際に早苗を植える若い女性のことを指す語である。
古くからの農村社会において、田植えは一種の祭礼的な意味を持ち、清らかな若い女性たちが整列して早苗を植える光景は、季節の風物詩として尊ばれた。
語源としては「早苗さなえを植える乙女」から来ており、清らかさ・若さ・季節感などの象徴としても用いられる。
また、文学や芸能、芸名などでもしばしば女性らしさや古風な美しさを象徴する名前として「早乙女」が用いられることがある。
現在では農作業の実態が変わりつつあるため、実際の職名としての「早乙女」はほとんど使われないが、詩歌や演劇、小説などにおいては風雅な表現として残っている。

例文

・水田に整列する早乙女たちの姿は、初夏の風物詩である。
・昔話の中では、早乙女が神に仕える神聖な存在として描かれている。
・早乙女のような純真さを持つ少女を描いた詩が感動を呼んだ。
・田植えの儀式に参加した早乙女たちは、真っ白な装束を身にまとっていた。

三字熟語 早乙女
読み さおとめ
英訳 rice-planting maiden
使用漢字