形而上とは
一般的には「形がなく、目に見えないもの」「抽象的・精神的な概念」「形式だけが存在するもの」を意味する。
たとえば、愛、正義、理念、魂、美、宗教、理想など、物理的に存在しないが人間の思考や感覚に影響を与えるものを指す。
哲学においては、「感覚や経験によって捉えることのできない存在や本質」を対象とし、それを思惟(=論理的思考)によって探求しようとする学問領域である。
これは「形而上学(Metaphysics)」と呼ばれ、「存在とは何か」「なぜ世界はあるのか」といった根本的な問いを扱う。
語源は『易経』に由来し、「形而上者、謂之道(かたちよりしてうえなるもの、これを道という)」の句に由来する。
「形」は物質的なもの、「而上」はそれを超えたものという構造である。
例文
・正義や愛のような形而上の概念は、人間社会に大きな影響を与えている。
・彼は形而上の問題ばかりを追い求め、現実には無関心であるように見える。
・哲学では、形而上と形而下の両面から世界を理解しようとする。
・「魂は存在するのか」という問いは、典型的な形而上の議論である。
三字熟語 | 形而上 |
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読み | けいじじょう |
英訳 | Metaphysical |
使用漢字 | 上、形、而 |