朧月夜とは

春の夜に、薄雲に覆われてかすかに霞んで見える月の情景、またはそのような夜のことを指す語である。
おぼろ」とは「はっきりしない」「ぼんやりしている」状態を表し、「朧月」はその月、「朧月夜」はそれが浮かぶ夜の風情を意味する。
日本の古典文学や詩歌、特に俳句や和歌において春の季語として多く使われ、幻想的で優美な情景や、もの悲しく儚い心情を象徴する。
万葉集から近現代の詩歌まで広く登場し、美しい自然描写や恋愛・哀愁の背景として描かれることが多い。

例文

・朧月夜にふと立ち止まり、春の風を胸いっぱいに吸い込んだ。
・俳人は朧月夜の儚さを詠んで、静かな情景を詩に残した。
・二人が別れたのは、ちょうど朧月夜のようなぼんやりした春の宵だった。
・子どものころ、祖母が朧月夜の歌をよく口ずさんでいたのを思い出す。

三字熟語 朧月夜
読み おぼろづきよ
英訳 a hazy moonlit night
使用漢字