涅槃吹とは
春の訪れを告げる暖かい風、特に旧暦2月15日の「涅槃会」のころに吹く南風を指す季語である。
仏教で涅槃は釈迦が入滅したことを意味し、この日に行われる仏教行事を「涅槃会」と呼ぶ。
このころはちょうど季節が冬から春へと移り変わる時期にあたり、その移ろいを象徴する風として「涅槃吹」の語が使われる。
俳句や短歌においても春の風物詩として用いられる雅語である。
例文
・涅槃吹に誘われ、野に咲く花がほころび始めた。
・寺では涅槃会が営まれ、涅槃吹がやわらかく庭を撫でていた。
・涅槃吹に春の気配を感じ、旅心が芽生える。
・その年の涅槃吹は例年より早く、梅がほころびを見せていた。
三字熟語 | 涅槃吹 |
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読み | ねはんふき |
英訳 | spring breeze around the time of nirvana |
使用漢字 | 吹、槃、涅 |