過不及とは
「過ぎること」と「及ばないこと」、すなわち「やりすぎ」と「足りなさ」を同時に指す言葉である。
物事の度合いや程度が適切でない状態を総称して用いられる。
これは、中庸の思想、すなわち「ちょうどよい加減」「過不足のない状態」が理想であるという考えに基づいている。
「過」は行き過ぎ、「不及」は至らない・足りないことを意味する。
どちらも「バランスを欠いている」という点で共通しており、何事にも節度が求められるという道徳的・倫理的教訓を含んでいる。
古典的な表現であり、現代ではやや硬い言い回しではあるが、学術的・哲学的・道徳的な文章の中では今でも見られる。
例文
・教育においては、過不及のない指導が理想とされる。
・彼の性格はいつも極端で、常に過不及のどちらかに振れている。
・薬も量を誤れば過不及となり、効果より害が大きくなることがある。
・過不及の弊を避け、平衡の美を追求するのが芸術家の務めである。
三字熟語 | 過不及 |
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読み | かふきゅう |
英訳 | excess and deficiency too much and too little |
使用漢字 | 不、及、過 |