桐一葉とは
「桐の木の葉が一枚落ちる」という意味の三字熟語であり、秋の訪れを象徴的に表現した語である。
古くは中国や日本の文学・詩歌の世界で用いられ、桐の葉が一枚落ちるだけで秋の気配を感じ取るという繊細な感受性を表す。
また、転じて「大きな変化の前兆」「盛者必衰の兆し」といった意味合いでも用いられる。
桐は中国や日本で神聖な木とされており、その一葉の落下すらも深い意味を持つものと捉えられた。
この語は、江戸時代の近松門左衛門の浄瑠璃『桐一葉』にも表れ、そこでは「権勢を極めた人物の衰え始め」を象徴する表現として登場する。
例文
・桐一葉が風に舞うのを見て、今年も秋が来たと実感した。
・その敗北は、まさに桐一葉の如き衰退の兆しであった。
・桐一葉が落ちるように、静かに時代が移ろっていった。
・政治家の突然の失言は、桐一葉として政界の変化を暗示した。
三字熟語 | 桐一葉 |
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読み | きりひとは |
英訳 | a falling paulownia leaf |
使用漢字 | 一、桐、葉 |